n年後に駐在するゲイ

いつか海外に飛ばされるゲイが生きた証

こころにほんのり暖かいものを抱えて

定時になると同時にパソコンの電源をオフにして、友達との待ち合わせ場所へ。

 

仕事終わりに遊びへ出かけるときに感じる独特の高揚。

 

駅へ向かう足取りが心なしか軽くなる。

 

パソコンが入っているはずのリュックがよく跳ねる。

 

何でもできると、何にでもなれると無邪気に思い込んでいた小学生の頃を思い出す。

 

あの思い込みから目が覚めてしまったのはいつだったか。

 

 

 

頭に浮かんだことをぽつりぽつりと話した。

 

最近思い悩むことが多いので、暗い話が多くなってしまう。

 

でも、僕の目の前に座る彼はその一つ一つに真摯に答えてくれる。

 

自分の話に耳を傾けてくれる人がいることのありがたさ。

 

僕の周りには、僕の感じた喜びを一緒になって喜んでくれる、僕の感じた悲しみにそっと寄り添ってくれる、僕の犯した間違いを諭してくれる、そんな友達であふれている。

 

なんだか、もらってばっかりだなと思う。

 

僕の両腕ではとても収まり切らないほどのいただきもの。

 

同等かそれ以上を、僕は彼らに返すことができているんだろうか。

 

 

 

帰り道。

 

空を見上げると、僕の大好きなオリオン座が見えた。

 

僕が一番初めに覚えた星座。教えてくれたのは祖母だった。

 

今日の夜空には雲一つない。

 

きっと、街灯のない場所からはもっとたくさんの星が見えるんだろう。

 

そんな場所に行って、満天の星を体中に浴びたい。

 

 

 

なんだか今日は、こころがポカポカすることの多い日だ。

 

そんな日が、今日だけといわず、叶うならこれからもずっと。