n年後に駐在するゲイ

いつか海外に飛ばされるゲイが生きた証

7月のナイトメア

怖い夢を見た。

 

家族が不気味な宗教に取り込まれてしまう。
その宗教からやってきた人が僕の家を取り囲む。
空は真っ暗だった。やけに星がキラキラ輝いていて、不気味なシチュエーションとのコントラストが余計に怖かった。
ここは夢によくあるおかしなポイントだけど、僕はなぜかドイツの政党「緑の党」に助けを求めようとして、一心不乱にスマホを探していた。

 

夢の中で僕は、ずっと息が苦しかった。
これは比喩でもなんでもなくて、本当に肺が圧迫されていて酸素を十分に取り込むことができなかった。

続きを読む

カクリノオワリ、読んだ本と読書について

隔離期間がようやく終わる。

 

「隔離期間」という言葉にどんな形容詞をつけようかさっきからずっと迷っている。「長かった」といえば長かったし、「長いようで短い」といえばそんな気もする。かといって「短い」とは言えない。

 

「じっくり本を読むことができた」というのが、隔離期間を振り返って最初に思い浮かぶことだ。以下の4冊の本を読んだ。

続きを読む

施しとしての睡眠

睡眠を自分でコントロールできない。

 

より正確に言えば、入眠のタイミングを調整することができない。

「明日は朝早いフライトに乗るから、今日はいつもより2時間くらい早めに寝よう」

これがよくわからない。寝るタイミングって、そんな簡単に自分で決められるものなの?

人生において不得意なことは何ですかと聞かれたら、僕は自信をもって「睡眠」と答える。

続きを読む

ナインティーン

流行りの病にかかった。誰でも感染する可能性があるものなので、「まさか自分が」というよりかは「ついに来たか」という気持ち。

 

初めは喉に若干の違和感があったくらいだったけど、時間が経つにつれて喉奥がだんだん腫れる。おまけに体温が上がる。一時は39度を下回ることがなくて、意識がフワフワしていた。

 

高熱を出すと、その時考えていたことや強烈なイメージ、音、実に様々なものが頭の中を縦横無尽に飛び回る。それはおぞましくて、とてもグロテスクな何か。その悪夢のような光景を振り払おうと、自然と寝返りの回数が増える。本当は、体勢を変える体力もないというのに。

続きを読む

近況

最近、全くブログを書いていなかった。
あまりにもはてなブログにログインしていなかったせいで、サイトにアクセスした際に再ログインを求められるくらいにはブログを書いていなかったことになる。

僕が地球上で一番大好きな芸人・阿佐ヶ谷姉妹がウェブ連載でエッセイを書いたとき、姉のエリコさんがどうしてもネタが浮かばなくて、エッセイを書けなかった時期があったらしい。その時はその「書けない」ということをネタにして書いていたので、僕も同じ方法をとろうと思う。

続きを読む

ぼくの好きなもの

脳みそのしわの隙間にこびりついたデブリをとるために、思ったこと頭に浮かんだことをそのまま書こう企画を開催します。
今日のテーマは「ぼくの好きなもの」です。

 

片桐はいりさん
ハマったきっかけは『かもめ食堂』。なんでしょう、あの圧倒的唯一無二の存在感は。『かもめ食堂』ではミドリさんという役で登場しますが、フィンランドの街を自転車で流していても、小林聡美さん演じるサチエさんが淹れてくれたコーヒーを飲んでいても、市場に出かけてトナカイの肉を買おうとするときも、ものすごい濃度で「いる」んですよね。それでいて、作品の雰囲気を壊さない仕方でそこに「いる」。あの感じがなんとも言えず好きなんです。

ちなみにはいりさん、演技はさることながらエッセイがめちゃくちゃ面白い。『かもめ食堂』撮影時に滞在したフィンランドでの体験記をつづった「わたしのマトカ」、グアテマラで現地女性と結婚してそのまま居ついてしまった弟を尋ねた際の出来事が語られている「グアテマラの弟」、はいりさんの血肉を作った映画について縦横無尽に語り尽くす「もぎりよ今夜も有難う」。どれもこれも、あまりの面白さにページをめくる手が止まりません。どれかのエッセイで「朝になる」を「太陽が地平線に手を掛けた頃」と表現していたのには思わず膝を打ってしまいました。どうやったらあんなに素敵な表現が思い浮かぶんだろう。

はいりさんの声も好き。ぶっきらぼうだけど熱い。いつかラジオやポッドキャストをやってほしい。

続きを読む

扁桃炎バトルロワイヤル

それは突然やってくる。
弱いけど確かなのどの痛み。火照り、だるくなるからだ。
鏡に向かって口を開けると、喉奥の両側に白いブツブツ。
ああ、またかと愕然とする。
頭の中で非常事態警報が鳴り響く。
1時間もすれば体温は38度を超え、唾を飲み込むのもしんどくなり、たちまち戦闘不能になる。
嫌々行く病院で言われることはいつも同じ。

扁桃炎です」

ですよね。

続きを読む