n年後に駐在するゲイ

いつか海外に飛ばされるゲイが生きた証

演劇すごいぞ

お友達の紹介で演劇を観に行ってきました。タイトルは「段差インザダーク」。演劇をほとんど観に行ったことのない僕でしたが、「演劇半端ねえ」の一言に尽きる。趣味一覧に「観劇」が追加されるほどハマりました。演者の皆様、スタッフの皆様、素敵なものを作っていただいて感謝の気持ちでいっぱいです。

 

come-dias.com

 

この作品は段差と人間の因縁の対決というコンセプト。なによりも「段差」に着目したことに驚き。

 

思い返してみれば、僕たちは段差に囲まれて、段差とともに暮らしています。階段などがその最たるものですね。今日、劇場にたどり着くまでに、いったいいくつの段差を超えてきたんだろう。それらはあまりにも日常に溶け込みすぎていて、今回の公演を見るまで、僕はその存在に思いを馳せることすらしませんでした。ましてやそのようなものを笑いに変えるなんて!「段差に苦しみながら重いものを運ぶ」という、どこにでも見られる光景を面白おかしく描く作家さんの発想力には脱帽です。僕たちの日常に埋もれてしまったものを掘り起こし、新たな意味を付して再構成する。創作のもつ力を見せていただいた気がします。

 

ちなみに、この劇団さんが行っているクラウドファンディングでは、10万円積むと作家さんと一日お話ができるそう。次のボーナスを使って、一日演劇に関するお話を聞けたら面白いだろうななどとふと思ったのでした。

motion-gallery.net

 

そんな素敵なストーリーもさることながら、もう一つすごいなと思ったことが、演者さんの表情。いったいいくつ表情筋があれば、あんなにクルクル表情を変えられるんだろう。少なく見積もっても、僕の3倍はありそうな。就活にて、面接官をして「あなたは本当に表情が変わらないですね」と言わしめた能面もびっくりの私からすると、喉から手が出るほど欲しい能力。弟子入りしたい。

 

 

観終わったあと、「足を運んで本当によかった」の気持ちでいっぱいに。劇場を出るとき出口近くに立っていた案内係のスタッフさんが言った「段差にお気をつけて~」の一言に思わずニヤニヤ。家に帰るまでの間、段差を意識せずにはいられなくて、いつも使っている駅、いつも通っている道がなんだか違うものに見えたのでした。